幻水の作家な気分

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〜神々の戦い〜
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第二部  プロローグ


リクイド城の北東にフレア公爵領はある。
領主はエラナ・フレアである。先の黒騎士ベネラルとの任務の報酬として曽祖父の爵位であった公爵位を継承した。
公爵となってエラナが最初に着手したのが領地内の治水工事だった。これまでまったくされていなかったわけではないが、本格的な工事は皆無にちかかった。
エラナの民心を得るための事業と言えばそうだが、確実に成果を挙げている事は間違いなかった。
だが、帝国から支給される予算は極わずかで残りは領地内より稼ぎ出す以外は方法は無い。すでにエラナは、この数週間で今年の予算のほとんどを使い果たしていた。
「お姉さま、これだけ使われてあとの事はどうするのです」
妹セレナが尋ねる。12歳の若さだが、すでにフレア家の予算を任されている。
「曽祖父が残してくれたものがあります。それを使います」
曽祖父は爵位を変換しているが、城の地下深くに彼の一族だけが手にできるように資産を隠していた。埋蔵されていた額は、年間の帝国予算に匹敵する膨大なものだった。
「それでも無尽蔵に沸いてくるわけではありませんよ」
「今年1年あれば十分です。必要なら私が魔法の武器でも作って売りますよ」
エラナはここ数百年生まれたなった魔法の武器を作成できる魔道師でもある。
「それから城下に領民が自由に商売できるように城下町を、それと魔道騎士団を作ります。同時に学院の分室の作成、それから私の名前で融資事業の設立、鉱山の開拓を進めます」
「鉱山ですか、あそこはすでに掘りつくされた場所ではないのですか」
「地質を調べて見てわかったけど、さらに下へ掘り進めることができます。もっとも当時の技術では掘り進めなかっただけのこと。それにあそこから過去にマナブルースが発見されています」
「マナブルース、発見できれば莫大な資金は調達はできますが」
「それに関しては売るつもりはありませんけど、作りたい物がありますから。どちらにせよ鉱山に関しては私が行かねば開発は進められないでしょうから、先ほど言った鉱山以外の件は進めて起きなさい」
「お姉さまがそういわれるならそう進めます」
セレナはそれだけ言うと部屋を出て行く。
「レーナ」
「なんですエラナ」
剣術の師を同じくし、エラナの妹弟子であり、義兄弟の契りも結ぶラクレーナは現在、公爵領に客将として在籍している。
「鉱山の方へ行きますので、少し付き合ってもらえませんか」
「かまいませんよ」

翌朝、エラナはラクレーナと二人で鉱山へ向かった。
「本当に廃鉱ですね」
ラクレーナが感想を述べる。
「掘りつくされてはいますからね。ただ、一番奥に越えられなかった岩盤があって断念したと書には記されていましたからね」
「そうするとその岩盤の向こうにはまだあるということですか」
「ここから産出された量があまりにも少なすぎますからね。それにただ気になる点もあるんですよね。一部見つかった宝石に一度加工された形跡があったといこと」
「遺跡ではないかということですか」
「そう、私の推理が正しければその岩盤の向こうにあると思います」
そう話ながら進むとすぐにその岩盤にたどり着いた。
「どうするのです。この岩盤を取り除けば崩れる可能性がありますよ」
「砕けばね。あらゆる物には溶けるし、蒸発することもある。ただその温度が高いか低いかの違いはありますけどね」
「それを溶かすのですか」
「魔術を使ってですけどね」
そういいながら、エラナは岩盤に人が通れそうな大きさの魔方陣を描き出す。30分以上をかけてエラナは魔法陣を描く。
「見た事がないものですね」
ラクレーナも魔術がまったく使えないわけではない。基本的な魔術程度なら使えないくはない。
「今伝わっている魔術でそれだけの熱量を発生する事はできませんからね」
「よくそれだけの魔術を知ってますね。学院では禁忌なのではないのですか」
「そうね、幼い頃でしたけどベネラルとよく宮殿の書物庫に忍び込んではいましたけどね。それを先の戦いでエラグラスが実演を踏まえて見せてくれましたから」
「なるほどね」
「さてと、そろそろ行きますよ」
『全てを焼き尽くす魔界の炎よ、我が呼びかけに応じよ』
エラナの手に炎をとおりこし光と化したそれは現れた。膨張しようとするそれをエラナは自らの魔力で縮小させていく。暴走されれば鉱山のある山ごと消し飛ぶ。
「超熱魔閃砲(フレア・キャノン)!」
エラナはそれをそのまま魔方陣に押し付ける。
音はしなかった。瞬時に岩盤は魔方陣の部分だけが蒸発して消えていた。
「ふぅ、なんとかうまく行きましたね」
エラナの額から汗が流れ落ちている。
「道ですか」
穴を開けたその先は道が続いていた。明らかに人工的なものだった。
「先へ行きましょうか」
30分ぐらい進んだ頃、突如通路は一気に広がり巨大な空間が現れた。
「宮殿」
ラクレーナはそう声を漏らした。
「あの紋章、間違いないですね。法皇セレネイドの神殿ですね。ただ場所からすれば。2番目の居城といったところですか」
「銀色に輝いてますね。金属かなんかでできているのでしょうか」
「私の見た書が確かなら、全てメタル銀でできているはずです」
「とてつもない額ですね」
「もっとも、くれないでしょうけどね」
「誰かいるのですか」
「神の神殿ですからね。なにがあっても不思議はないでしょうね」
そういいつつもエラナは足早に神殿内へ入って行く。
『我が神殿に立ちいるは何者ですか』
「エラナ・フォン・セレネイド・アルスターク・フレア、あなたの血を受け継ぐものです」
同時に光がエラナを包み込む。
『間違いないようですね』
「レーナ、あなたはこれ以降は立ち入れないでしょうからここで待っていてください」
「わかりました」
『もう一人』
「えっ」
同時に目の前に一人の女性が姿を現す。
「私ですか」
『薄くはありますが、間違いありません。しかし数千年を経て我が血筋を引くもの、しかも2人に会えるとは』
「レーナ、何か聞いた事がありますか」
「いいえ」
『エラナ、あなたは間違いなく私の直接の血を引いています。ですが貴女は私が生み出した直系の眷族の血を引いているのですから』
「直系の眷属、守護騎士の血筋ですか」
神話にもある。それぞれの神、神皇・魔皇・法皇にはそれぞれ守護騎士が来た事は伝わっているが、そのほとんどは終末の戦いで果てたとも言われている。
『ここを訪れた初めての私の末裔、望みがあるなら一つだけ叶えましょう』
「では、私は貴女が力を借りた力を行使することができます。だがそれは貴女から見れば極わずかな力、本当の力が欲しい。星の流れを断ち切るだけの力が」
『私の血で未来を見たのですか、いいでしょうただし条件があります。この神殿の地下最下層に貴女達がいう神話時代の魔物が封じてあります。それを倒したならば認めましょう』
「学院の地下の迷宮とは違う迷宮ですか」
『あちらの迷宮を知っているなら話は早いですね。どちらの迷宮も私が作った物、もっともここの迷宮はあそこほど深くはありませんけどね』
「学院の迷宮、何かを封じたものであるのはわかりますが、何を封じてあるのです。とてつもない力を感じましたが」
『魔皇クライシストの5分の1』
「貴女は魔皇クライシストを10分の1に分断したとありますが」
『確かに試みました。ですが、最後の一つだけは分断できませんでしたので最も深き迷宮に封じたのです』
「そんなものが」
『言っておきますが、今の貴方たちの実力、私が生きた時代なら雑兵程度ですからね』
「エラナで」
そう洩らしたのはラクレーナだった。
『わかりやすいように数字で示しましょうか、エラナ今の貴女で241、そして貴女が80ですね。ちなみに私の当時の力が約364万、私が圧倒した神皇・魔皇も200万はありました』
「・・・」
完全に次元がかけ離れている。人と神との圧倒的な差である。
『最も私達はそれを脅威力と呼んでましたが、クライシストが10分の1と行っても20万の力はありません。たった1万程度ですけれどね。貴女がどの程度の力を望んでいるかはしりませんが、手に入れるということは、人間を越えた力、それらと戦う意思が必要になりますよ』
「私が目指すものの前に壁が立ちふさがるのならば、それを乗り越えてみせる。星の流れを打ち砕くなら、それから逃れることはできないでしょう」
『良い目をしていますね。いいでしょう、迷宮に行くにあたってこれを貸しましょう』
同時にエラナの手に1本の杖が姿を現す。
「これは」
『審判の杖、私が使っていたものです。迷宮の奥の魔物を倒せたならばその杖は貴女に差し上げましょう。肉体を持たない私には必要ないものですから』
「わかりました」
『ならば行くがいい、入り口はこの先の玉座の下にある』
「レーナ、貴女はここで待っていてください。私一人で行きます」
そう言い残すと、一人先へ進む。
『そなたは何を望む』
ラクレーナに尋ねる。
「私は戦で両親、兄と生き別れてしまいましたが、幸い兄とは再会できました。ですが、私が望むのはこれ以上争い無く、私のような不幸なものが現れないこと、平和な時代が私の望むものです」
『神々が争い続けた理由ですね。光の神が望む世界、闇の神は力の均衡を良しとする世界、私はそれら争いが原因で世界が滅びるのを法の力を持って防ぐこと』
「神々ですら果たせぬことですか」
『果たせぬとはいいません、容易でないだけです。結局は力によって制する事になってしまいます。永遠の平和などつくれはしないのです』
「ならば、目に止まるだけでいい私はそれを守っていきたい」
『ならばこの能力を貴女に授けましょう』
同時にラクレーナを光が包みこむ。
「これは」
『瞬間の出来事でもその目を使えば、あなたにとっては長い時間として見る事ができるでしょう。それで人を救うこともできるでしょう。もちろん、戦いの上でも十分役に立つと思いますが』
「有難う御座います」
『そなたはそこで待つがいい、エラナが帰ってくるまでな』

一人迷宮に向かったエラナは、次々と階層を下って行った。
「魔炎弾(カオス・フレイム)!」
エラナは審判の杖を媒体に魔法を発動する。
「おおよそ倍に増幅してくれますね」
杖を通じて発動した魔法はおおよそ2倍近い威力があることはここまでの階層を進んでわかってきた。
「何階まであるのか聞いておけば良かったですね」
迷宮の中には最下層にたどりつけないようにいくたもの魔物が住んでいた。それらを倒さねば前に進めない。
迷宮に入って何時間経った頃か、エラナはすでに90階を越えた。
そして100階に到達したそこにそれはあった。だが、それは封印ではない。地上で見た法皇セレネイドがそこに立っていた。
『おおよそ杖の方は使えるようになったようですね』
「これはどういうことです」
『封じてあるのは私自身です。20分の1ですけれどね。今から私と融合してそれに耐え切れれば貴女は私の力を手にすることができます』
「取り入れるということですか」
『そうです、耐え切れなければあなたは逆に私に吸収され私の一部となります。どうします』
「その試練受けましょう」
そう即答した。
『では行きますよ』
目の前のセレネイドの姿が、そのままエラナの中に流れ込む。
「なっ」
エラナの中で巨大な力が自らを飲み込もうとしてくる。
『その程度ですか、自ら意思をはっきりしてもらわないと本当に飲み込んでしまいますよ』
エラナの脳裏に話しかけてくる。
同時にエラナには、自ら見た未来が見えてくる。
異世界から呼び出された魔物が次々と人々襲い、魔物であふれかえる世界、人では勝てない相手が次々と現れ、人として多少優れているものも次から次へと力尽きて行く。
だが見えていることはある。それが人が呼びだした魔物であること、だからこそ望んだ対抗しうる力が欲しい。自身が人々になんと思われようとかまわない。だがその原因が自らに関するならば、人であることを捨てたとしても自らが解決しなければならない。
『えっ、まさか人である貴女が・・・』
セレネイドはそれだけ洩らした。
「ふぅ、なんとか」
エラナは法皇の力を手にした。同時にエラナは神殿の外に立っていた。
「お帰りなさい、エラナ」
ラクレーナが出迎える。
「ただいまレーナ」
『やれやれ、こうも簡単に力を手に入れられるとは思いませんでしたよ』
法皇は姿を現すものの、さきほどまで感じていたような力は感じない。
「星の流れを断ち切る。それが私の意思の全てです」
『まぁいいでしょう。まだ力が欲しいのなら私の意思は他にもこの地に眠っているので探すがいいでしょう。それとこの神殿にあるものはすべてエラナ、貴女に差し上げましょう。ここでの私の意思はもうじき消えて無くなりますゆえ』
「貴女の意思がここに無いとしても、ここが貴女の神殿であることには変わりはありません。封印させてもらいますよ」
『貴女がここへ来た理由は、莫大な資産が欲しいのではなかったのですか』
「それでも、ここに手は出せませんよ。資産を作り出す方法が他にないわけではありませんからね」
『まぁ、これだけでも持って行きなさい』
そういい、二人の目の前に大きな箱が現れる。
「有難う御座います」
これ以上断るのもと思いエラナはそれを受け取る。
『いずれ会うことがあるならば』
そう言い残し法皇は姿を消す。
エラナとラクレーナはその箱を手にし、鉱山の外へ出ると岩盤までの通路を完全に崩落させ埋めた。
「よろしいのですか」
「地下宮殿を埋めたわけではありませんからね。行こうと思えば魔法の力でいけますからね、もっとも行く理由はありませんけどね」
「そうですね」
「帰りますよ」
そういい、瞬間移動で一気に城内の自室まで戻る。

エラナが戻ってきた時には、すでに出立してから1ヶ月が経過していた。
「1ヶ月も経過していたのですか」
「なかなか戻られないので、どうしたものかと考えてました」
セレナが心配で仕方なかった事を感じ取られる。導師の位を得てるとはいえ、まだ12歳でしかないのだからそれも仕方がない事だろう。
「で、セレナ、出立前に私が命じた事どうなっています」
「城下町の件は、建設に入っています。それと学院分室は、ラスティーク様から正式に許可を頂けました。それに伴い、何名か送ってくるそうです」
「誰かまで聞いたいますか」
「導師格で、ブロウド・フレア導師、ガレス・レフォート準導師、フォード・レイクス準導師の3名を聞いています」
「叔父上ですか」
ブロウド・フレアはエラナの父の弟に当たる。
「それと、魔法騎士団ですが少数ですが、カリテ殿と、マルシェ殿がほぼ騎士団として機能できるまでに仕上げています」
フレア家が公爵位についたことにより、帝国から100名の騎士が配備された。
「いいでしょう。レーナも悪いけど、少し剣の指導をしてあげてもらえますか」
「かまいませんよ、ただ世話になっているだけというわけにもいきませんし」
「学院の生徒募集、魔道科・魔道騎士科・賢者科の3つで行い、適正試験をパスできるものに関しては一切の学費免除、現時点で領地内においては半額免除としてください」
「そのようにします」
「あと、それと学院の建設と同時に宿舎も設置するように、それと資金はさきほど持ち帰ったその箱の中身をつかいなさい」
そう言われセレナが箱を開ける。箱の中身は宝石の山だった。
「すごい、これだけで帝国年間国家予算に匹敵しますよ」
「それの運用は貴女に任せます。私は別で調達してきます」

フレア公爵領の改造が始まった。エラナの指示どおり城下町が作られ学院、その宿舎、と出来上がり、半年もせぬ間に小さな村だったそこは1万人もの人があつまる都市となっていた。その一方でエラナは、領地内の山賊・盗賊を次々と平定し、領地内の遺跡の発掘などで次々と資金を調達すると領地内へ投資した。
投資の一方でエラナは自らも事業経営に乗り出し、フレア商会を作るにまでとなった。
そこへ到達するまでにエラナが有したのはたった1年でしかなかった。

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