幻水の作家な気分

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第一部  プロローグ

魔道学院の黒い大理石の壁はガラバード帝国・帝都ラクーンでも特に異質の輝くを放っている。
帝都において三大建築物、帝国皇帝が住まう城、教会神殿、魔道学院となるが、学院は帝城そのものに劣らぬ大きさを誇る。
魔道学院がそれだけの大きさを誇るには訳がある。このラクーンは元来、学院を中心に栄えた都市であることと、学院を創設した人物こそが帝国初代皇帝王妃であるエラナ・アルスタークであることだった。
現在の学院最高導師は彼女から数えて35代目、時にして500年の月日を経ていた。
魔道学院は常に帝国宮廷魔術師を数多く送り出し、歴代宮廷魔術師の多くは数多くの功績を残してきた。だがここ数十年は特出した魔道師を送り出してはいなかったが、ここ数年、注目される人物が現れた。
エラナ・フレア、初代皇帝王妃と同じ名を持つ少女、これまでの老練の魔術師などを寄せ付けない実力を目だ立たせていた。
彼女は、現在の最高導師であるラスティークの直弟子で次期最高導師との噂もあるが、若干15歳である彼女に対する目は冷たく彼女自身、人と会うことを極端に嫌い、妹であるセレナ・フレアだけが唯一近づける人物といってもよかった。
その為、導師となって数年を経過するが、彼女に弟子はいない。
「お姉さま、ベネラル卿から手紙が届いていますよ」
妹のセレナが封書をエラナに差し出す。
「ありがとう」
封書を受け取ると、書を取り出し目を通した。
「ベネラル卿が手紙を送ってくるのも珍しいですね、何の御用です」
セレナが尋ねる。
「騎士団の任務で私に同行して欲しいそうよ」
エラナはなんでもない事のようにそう答える。
「任務ですか」
「特に断る理由もありませんから、同行しようと思いますがセレナはその間はどうしますか」
「お姉さまが居られないのでしたら、学院にいる理由もありませんからリクイド城の自宅に戻ろうかと思いますけど」
「その方がいいでしょう、私もリクイド城へ向かいますから一緒にいきましょう」
リクイド城は帝国建国時の帝都であったが、帝都の拡張の関係で現在のラクーンに遷都後は帝国黒騎士団が収める城となっている。
「はい」
「私はこれからラスティーク師の元へ行って来ますので出立の準備をしておいて下さい。今日中には出立します」
「はい」
エラナはそのまま部屋を後にすると、師であり学院最高導師であるラスティークの部屋へ向かった。
「君から尋ねてくるとは珍しいな」
エラナはそう言われるとベネラルからの手紙を師に手渡した。
「卿が君に打診するとなるとそれなりの任務だろう。卿の力になってあげなさい」
「はい、長い期間留守にするかと思いますがよろしくお願いします。セレナはリクイド城の家に戻ると言っておりますので妹も留守になります」
「わかった」
「それに伴い、お願いがあるのですがよろしいですか」
「なにかね」
「以前からお願いしていた魔道書をお貸し願えませんか」
「あの魔道書がいかなるものかは理解しておるであろう」
「しています、使い方を誤れば危険なものではあります。ですがより大きな問題を相手にするのならば必要な力であるとも思います」
「今回の話には関係ないよう思うが」
「それはわかりません、ですが私が見た未来はその力を持ってしても勝てるかどうかわかりません。だからこそ今の内にそれを超える力を手にする努力をすることに問題がありますか」
エラナは普段は見せない強い口調でそう語る。
「君が見たという未来は聞いた。だがそれが真実である証拠はない。それだけの理由で貸すことはできん。それに、いずれ君がこの学院を背負うことになるだろう。それからにするも良いだろう」
ラスティークはエラナならそれを悪用することもないと考えているが、それでも許可し与えることはできない。エラナを快く思わない導師は数多い。
「わかりました」
そう言いエラナは師の部屋を後にした。
部屋に戻るとセレナは出立の準備を進めていた。
「いかがでした」
「出立には許可をもらいました、書は借りれませんでした」
「例の初代学院最高導師の魔道書ですか」
「そうよ、魔道師としては間違いなく歴代最高導師の中でもトップである人の魔道書ならば未来を打ち砕く力を持っている可能性がありますからね」
「帝室の力を利用してはいかがです。我がフレア家は帝室の分家です。必要ならばブラネス卿か、ベネラル卿にお願いしても良いのではないですか」
「考えないでもないですけど、今余分な遺恨を残すのは得策では無いでしょう。それにフレア家について明かしてしまうのも得策ではありませんからね」
フレア家が帝室であることを知る者はエラナとセレナを除くと現在の皇帝とその弟ブラネス、それにブラネスの子ベネラルの5人だけである。
「わかりました」
「準備ができたら瞬間転移(テレポート)でリクイド城の家まで行きますよ」

瞬間移動でリクイド城へ移動したエラナはその日の内にベネラルがいるリクイド城内の騎士館へ向かった。
「ベネラル卿にラクーン魔道学院導師エラナ・フレアが参ったとお伝え願えますか」
門で見張りについている騎士にそう伝えた。
「畏まりました。お伝えいたしますのでしばらくお待ちください」
門番は黒騎士が勤めており、何度も来ておりその騎士も彼女の事を知っていた。騎士は、もう一人の騎士に見張りを任せると中へ向かった。
数分もすると先ほどの騎士が別の大柄の騎士と共に戻ってきた。
「卿、お久しぶりです」
新たに来た騎士にそう挨拶をする。
「よく来てくれた。ここではなんだ、奥で話をしよう」
「畏まりました」
エラナはそう言い、エラナはその騎士について行く。
「エラナ、珍しく礼儀正しいな」
ベネラルはカラカウようにそう言う。
「他の騎士に私が礼知らずと思われるのは困りますからね。ですが、わざわざ貴方自身が出迎えに来る必要も無いでしょうに」
「それは君が考えていた事と同じだよ」
「礼ですか、貴方が気にするとは思いませんでしたよ」
学院で彼女を知るものなら、彼女がこのような事を口にするとは思いもしないだろう。普段の彼女の言葉には感情移入がない。
「からかっているのか」
「そうですね」
部屋の前でとまると、エラナに扉を開けて中へ案内する。部屋の中には一人の戦士が立っていた。
「クリスさん、お久しぶりです」
「お久しぶりです、エラナ殿もお元気そうで」
「有難うございます、ベネラル、私を呼んだ理由は何ですか」
「そうだったな、まずこいつを見てくれ」
そう言い、一冊の書物を手渡す。
「魔道記録ですか」
「そうだ、部分的には読めるが古い字体ゆえに理解ができん。古代語ならお前が詳しいと思ってな」
「時代的にはレスティア帝国末期の書ですね。作者は、スィーナ・エラード・・・」
作者の名を読みエラナは考え込んだ。
「何か気になることでも」
ベネラルが尋ねるがエラナは一心に書に目を通して行く。
「ベネラル、この書の出所はどこです」
しばらくしてエラナは大声で尋ねる。
「帝室で保管されてあったものらしいと言うことしか聞いてないが」
「可能性は高いですね、ベネラル、このスィーナ・エラードですがおそらく初代皇帝王妃のエラナ・アルスタークのペンネームです」
「何故そう思う」
「スィーナ・エラードの書は何冊か読んだ事があります。ですが、レスティア帝国末期にそのような魔導師は存在しません。それにこれだけの魔道書を残せる人物となると確実に名前が残っているはず、性があるということはあの当時ではよほどの貴族ぐらいです。貴族の中にエラードという性は存在しません。これがこれが偽名であると結論付ける理由です。それとこの書に記されている事項はガラバード帝国側から見た方向で書かれています。特にレスティア帝国軍との戦いで前線で戦った者でしか書けないところもあります。そう考えた場合、建国当時の帝国でそれだけの魔術師となると一人しかいません」
「なるほど」
「ただこれがエラナ・アルスタークさんなら、どうして偽名を使う必要があったかですが・・・」
エラナはそう言い、書の最後の方を見て手を止めた。
『我が名はエラナ、我が血なる源たるエラナよ、我が呼びかけに応じよ』
書に手を当てエラナはそう古代魔道語で術を唱えた。すると、同時に本が反応し輝きだす。
「な、なんだ」
『我が眠りを妨げるは汝か』
本の中から魔道師が姿を表す。
『やはりこの書は貴方が書かれたのですか、エラナ・アルスターク』
『汝か、私を呼んだのは』
二人は古代語で会話を続ける。
『私はエラナ・フレア、貴方の血を引く者です』
『それを示すものは』
『これではいかかですか、エラスティーナ・フォン・セレネイド・レシード・アルスターク』
『私の正式な名ですか』
『エラナ・フォン・セレネイド・アルスターク・フレア』
『そこまでセレネイドの名を口に出来るのなら偽りは無いでしょう』
『それでこの書の真意は何ですか、このようにしてまで手の込んだ事をするのには理由があるのでしょう』
『何が知りたいですか』
「ベネラル、何が知りたいですか」
エラナは、唖然としているベネラルに尋ねる。
「あ、ああ、知りたいのは初代皇帝王妃が封じた地底の魔物エラグラスについてだ」
ベネラルの言葉をエラナが通訳する。
『エラグラスですか、確かに封じたのは私ですが知ってどうします』
エラナがベネラルに通訳しする。
「奴が封じられる直前に産み出した卵が孵化した、私はそれを倒さねばならないが生まれたばかりでもかなりの力を持っているそれに対する方法を知りたい」
『なるほど、並みの武器や攻撃魔法は一切通用しません。もし倒すと思うなら私がエラグラスを封じた後に作った剣があります。それを使うことです。もしくは私が残した魔道書に封印する方法を記してあります』
『並みの魔法と言われましたね、それは並みの術で無ければよいのですか』
『そうですね、ですが私が封印するしか出来なかったことは頭に入れておいて下さい』
『わかりました、剣の所在はわかりますか』
『私の息子、二代皇帝に渡したはずですが帝室にはありませんか』
「剣の名前は何と言うのですか」
『そのままエラグラスの剣と名付けたはずですが』
「エラグラスの剣・・・」
エラナが考え込む。
「エラナ、知っているのか」
「5代皇帝の時代に誰かその剣を授かって討伐に赴いたはずですが、討ち死にしていますから紛失しているはずです」
「探すしかないのか」
「私が知る限りでは、皇帝の部隊は全滅していますからおおよその場所以外はわかりませんよ」
『今の私に正確な位置を知る手段はありませんが、存在を確認はできます』
『わかりました、有難うございました』
『この本に封じた私の意思はこれで消滅しますが、これ以外にも私の意思を封じたものがありますからそれをお探しなさい』
『はい』
姿を表していた王妃エラナの姿が消える。
「さて、ベネラルどうします」
「剣を探すしかあるまい」
「それはいいでしょう、探索のメンバーはどうします」
エラナはベネラルに尋ねる。 「現時点で私とクリス、それと君の三人は決定している」
「あと何人か欲しいですね」
「道中、師を尋ねて見ようと思うが」
「フォルクさんですか、あの人が協力してくれるとは思えませんが」
「最近新しく弟子にしたと聞いた、その弟子を借りてもいいだろう」
「弟子とするぐらいですからそれなりの素質はあるかと思いますが、それでも4人、最低でも6人は必要ですよ」
剣王フォルク、ベネラルの師でかなりの変わり者であるが、人の才能を見抜く力はある。
「するとあと2人か、俺の部隊にいるサーディンとブラッサムの二人を連れていくか」
「戦力になるのですか」
エラナはベネラルでなくクリスに尋ねる。
「私たち3人と比べれば見劣りしますが、騎士団の中でもかなり優秀ですよ」
「出来れば精霊魔法か神聖魔法に優れた者が必要か」
ベネラルが考え込む。
「精霊魔法は使えませんけど、回復系の術は使えますよ」
「だが魔法を使えるのがエラナ一人と言うのもと思ってな」
「私が使えるレベルの回復系の術を使える人物はそうそういませんよ、知る限りならジェランズ・ハーパリン大司教ですね」
「大司教を連れていくわけにはいくまい」
「大司教よりは劣りますが、大司教のご子息ラルク・ハーパリンが若干12歳と幼いながらも神官騎士団の部隊長にあると聞いています」
「交渉してみるか」
「たしか公爵領は近くですから尋ねて見ますか」
「そうだな」
「早速準備をしましょう。今回サーディン達はいかがされますか」
クリスが尋ねる。
「公爵領までだ、3人だけでいいだろう」
「わかりました」

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